注目の女子大生映画監督・松本花奈(まつもとはな)さんの活動と私生活に迫る
2017/12/01
企画

ひとり暮らしLabのスペシャルインタビュー企画!さまざまなジャンルで活躍している大学生に、やりたいことを実現するコツや知られざる私生活について伺っていきます。
今回は、大学生映画監督として活躍中の松本花奈(まつもと・はな)さん。
もともと子役として映画にも出演していた経歴をもちながら、高校時代に映画監督の道に。現在も青春映画を撮り続け、近作『脱脱脱脱17(ダダダダセブンティーン)』ではゆうばり国際ファンタスティック映画祭 審査員特別賞&観客賞のダブル受賞でも注目されました。
監督業を続けながら、今年の春に大学入学を果たし、5月に一人暮らしをスタートさせた花奈さん。クリエイターとして、大学生として、その等身大の姿にせまります!
大学生監督として、映画サークルで活動

ー普段、どのような活動をおこなっていますか?
平日は昼間学校があるので、授業の後脚本を書いて土日と長期休みに撮影をしてます。
サークルは早稲田大学のシナリオ研究会に入っています。大学は慶応大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)なんですけど、慶応には映像系のサークルがなくて、他大学で選びました。
一人暮らしも5月から始めたんですけど、それまで実家からの通学時間が片道2時間半、往復5時間でえげつなかったです(笑)。
「高校生のうちに絶対優勝!」と決めたシナリオ大会

ー高校から監督活動を始めたけど、芸術大学や専門学校ではなく、慶応大学に進んだのには理由はありますか?
実は、中2の頃から日芸(日本大学芸術学部)に行きたくて日大付属の高校に入ったんです。
でも高校2年生のコース決めで、普通コースと特進コースに分かれるんですけど、「特進ってかっこいいな」と思っちゃって。普通コースだとそのまま日芸にも進学できたんですけど、特進に進んだので日芸の推薦がもらえなかったんです。
それなら慶応行きたいなと思って受けました。特にSFCには色々な人が集まってて、バラエティに富んでますね。

ー小さい頃から女優や子役というのは聞きますが、学生で映画監督というのは珍しいですよね。監督になるきっかけは何でしたか?
最初はダンスがやりたくて、実家の近くにある劇団ひまわりに入って、何となく子役をやっていました。
その後監督の道を選んだのは、カメラとか機材に興味があって、いじってたら裏方も楽しいなと思ったからです。あと、出演側だと撮影の時しか映画に関わることができないじゃないですか。でもスタッフさんって最初から最後まで関われるからうらやましいなと思って。
映画監督は、高1の冬くらいに映画制作団体に出会って始めました。
その時、高校生限定の脚本募集の大会があって、受かったら脚本を映像化できるということだったので応募したんですけど、一次で落ちてしまいました。その後、高校生映画甲子園にも応募したんですけど、これも落ちて。めっちゃ悔しくて、「絶対高校生のうちに優勝したい!」と思い、そこから本気でやるようになった感じかなあ。

ー映画を撮る上での、自分なりのテーマなどは考えていますか?
私『色即ぜねれしょん』という映画が大好きで、ああいう青春系の映画が撮りたいなと思っています。
小中学生の頃に「高校生になったらこういう青春が待ってるんだろうな」と思っていたのに、高校生になったら想像していた青春を感じられなかったです。映画で見てきたような青春を味わいたいがために映画を撮っているのもあります。
ーこだわりや演出は?
携帯電話とか車とかコンビニとか、自分たちの身近にありすぎるのもを映画に出したくないんです。日常のモノから離れて、ちょっと異空間な世界を作り出したいなという思いはあります。映画の中の年代がいつを定めさせないような映画を撮りたいから田舎でロケをすることも多いです。
セリフも、詩を読むのが好きなので、ちょっと抽象的なセリフを入れたりします。でもセリフはパっ!と思い浮かぶわけではなくて、「うーーーん!」と悩みながら(笑)。

大学生活で欲しいものは、でっかいワゴン!?
ー大学生活と監督業のバランスは、入学してどう感じていますか?
いまの学部はウェブとかイスラームとか色々な授業があって、幅が広くて楽しいけどちょっと大変です。両立は難しいなと感じています。
映画を作るのってすごくお金がかかるんです。自分のバイト代で映画を製作しているので、バイトもしなきゃいけない。バイトは、大学のAO入試が終わった高校卒業前からカフェでやってました。週2、3くらい。けっこう予定が詰め詰めのほうが楽しいですね。
高校の時は授業も部活も夕方まであるけど、今は2限目からとかなので自分の時間も自由に作りやすくなりました。
あと、車の免許をとれたのも大きい。機材車を運転したいなと思ってます。今めちゃめちゃハイエースほしいんですよ(笑)
ーハイエースが欲しい女子大生なんて珍しい!(笑)5月という少し遅めの時期に引っ越したそうですが、その理由は?
3月が映画でバタバタしていて引っ越しの準備ができなくて、やっとできるようになったんです。
部屋を選ぶ基準は、駅にも学校にも近いことと、日当たりの良さ。あとは映画の編集を家でするので、家の壁が薄すぎないことも考えました。
でも、今住んでるのが3階建てのアパートなんですけど、私以外の住人が1人しかいなくて、お化けでそうで。そのもう一人の住人もあんまり見かけなくなってきてて、ちょっと怖いんですよね(笑)。
でも一人暮らしはめちゃめちゃ楽しいです!

ー忙しい毎日ですが、休日はどのように過ごしていますか?
休日は脚本と一人カラオケですね。音痴だけど歌うの大好きで(笑)、一人でカラオケに行ったりゲーセンで太鼓の達人やってます。基本、休みの日は一人で過ごしたいなと思うので。
あと、最近は写ルンです(インスタントカメラ)にはまってます。あれで写真撮りに行きます。一人でいるのが好き。友達とは平日にご飯食べたり映画観に行ったりしてます。
ーとても充実してそうですね。大学生活で監督業にいきたことはありますか?
カフェでバイトしてるって映像関係の人に言うと、「映像関係のバイトすればいいのに」って言われたりするんです。
でも私は脚本を書くのが好きなので、カフェという選択も間違ってはいないんじゃないのかなと。映画以外のところで吸収したほうが発想も広がるし、それ以外の活動がなかったら脚本を書けないんじゃないかなと思うので、映画と関係ないバイトをすることも大切なんですね。
ー最後に、夢を追う大学生や、今はまだやりたいことが見つからないという人たちに向けて、メッセージをください!
自分は失敗したときに、悔しいなとかあの人は絶対超えたい見返したいと思っていて、その気持ちが原動力になってるので、失敗してもめげずにそれをバネにしてやってほしいと。負けん気が私のエネルギーですし、それしかないです。

取材中も終始、エネルギーと夢にあふれた花奈さんでした!
経歴だけみると、華やかしく成功されている彼女ですが、その裏にはたくさんの落選も経験していました。
失敗や挫折から、エネルギーをもらってさらに成功に結びつけている松本さんを見習っていきたいですね。
松本さん、ありがとうございました!
Profile:松本花奈(まつもと・はな) 1998年生まれ。中学生の時より映像制作を始める。16歳で監督・脚本・編集をてがけた映画『真夏の夢』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015 フォアキャスト部門に正式出品。 映画『真っ赤なポピー』の監督・脚本・編集、竹友あつき『ワレモノ注意』のMV監督・脚本、テレ玉地上波「オール☆in one」のドラマパート編集、井上苑子『大切な君へ』のMVの監督・脚本・編集をつとめる。近作『脱脱脱脱17(ダダダダセブンティーン)』では、the peggiesの音楽との共作も注目された。 今年から慶應義塾大学総合政策学部に入学し、監督・脚本家として精力的に映画制作を行なう。 |
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