「まるでペットと暮らしているかのような部屋」
京都造形芸術大学 アートルーム
2015/01/29
企画

「まるでペットと一緒に暮らしているかのようなお部屋づくり」をテーマに、京都造形芸術大学との産学連携コラボレーション企画のひとつとして実際のレオパレスのお部屋の壁に描く「壁紙アート」を作成いただきました。
制作したのは同大学美術工芸学科2回生の大池ららるさんと1回生の中森葵さん。完成後は同大学学園祭で告知を行い、作者自身に現場の案内もして頂きました!

制作日:2015年9月14日(月)~18日(金)
公開日:2015年9月19日(土)・20日(日)
場所:レオパレス武蔵 203号室
(京都府京都市左京区一乗寺花ノ木町34-1)
開催内容:
8月 下旬 制作デザインの決定
9月14日 室内施工作業開始
9月19,20日 学祭にて告知見学
今回は2人にインタビューを通して制作の様子・作品を紹介いたします

Q.この部屋のデザインを考えた理由は何ですか。
住んでいていいな、住みたいなと思う部屋は落ち着く部屋なのではないかと思い、色を抑えた絵を考えました。
図案を考えるうちにだんだん白黒でも今までにないものができる気がして、そっちの方がインパクトがあると思って制作しました。

Q.今までの事例にはない鉛筆での作品ですが戸惑いはありましたか。
ありきたりな壁紙を想像していたのですが、木目調のものがあると知ってそこでイメージができました。実際の壁紙を見て、思っていたよりもいいものが出来るんじゃないかと確信しました。
※始めは真っ白な壁に描いて頂こうと思っていましたが、弊社から壁紙をカスタマイズした上での制作をお願いしました。

Q.作品を作っているときはどういう事を考えていますか。
中森さん>まず求められていることはなんだろうと、今回だと部屋に帰ったときに落ち着く部屋がいいなとか考えました。
大池さん>ここがまだ足りないかなと思うときはもうちょっと描き足したいな・・・とか考えてますが、そこだけに目がいって全体を見られなくなるので、全体のバランスを考えています。

Q.そういえば…弊社の社員から「白黒なのでパンダを入れて欲しい」とお願いしたのですが…。(※無理な希望を言いました。笑)
全体の構図もあったり、コンセプトは「飼っているかのような」とあったので(笑)それでパンダは無しにしました。

蝶を描き足すときに二人ですごく悩みました。どこがいちばんきれいにみえるのか。ちょっとずれるだけでなにか違ってしまうのでよく考えました。
全体では描き込んでいる部分と空白部分の差も意識しました。全部が全部描き込んであると見ているほうもちょっと苦しいですしね。見たときの美しさのために「空間と抜け」を気にしました。

Q.学園祭に参加して頂き案内もしていただきましたが、どのような話をされましたか。
高校生の女の子で志望度は高いんですが、すごくシャイな方だったので、コンセプトの説明等、私から話し過ぎてしまったかなと思うくらい、たくさん話しかけました。
美大生を目指している学生さんへエールをお願いします!

大池さん>自分がちゃんと楽しいって思える大学を見つけて、楽しいって思えることを続けられるのがいいですよね。そういう未来が想像できるなら頑張ってほしいなって。 どれだけいい大学行っても楽しい未来が想像できなければ意味がないと思うので、そういう場所を探すのが一番いいと思います。

中森さん>これまで自分がやってきたことのなかには苦しいこともあったけど、やらなきゃよかったってことは一つもありませんでした。大学にいけば、大学に行かなかった人が絶対経験できなかったことができるわけじゃないですか。そこでも苦しいことがあるかもしれないけど、絶対自分の中に吸収されて力になると思うので、行く・行かないだったら、行ったほうが絶対経験になるんじゃないかなと思います。
大池さん・中森さんより京都造形大学のいいところを紹介!!
●おもしろい先生がいっぱい
画材をいっぱい取り入れている先生や新しい試みをされている先生がたくさんいらっしゃいます。
現役で画家さんをしているので、先生方のモチベーションも高いです。
●みんなの意思が強い
やりたい!やりたい!って人だったらなんでもできる。
強い意思があるからこそ、頼み込めば先生も良いよと言ってくれます。やろうと思ったら他の学科でも繋がれるし、なんでもできるっていうのがあります。
●いろんな学科の刺激をもらえる
造形大は他の学科との繋がりを大切にしている気がして他の学科と一緒に受けれる授業がたくさんあります。他の学科の人と会話をすることでその学科でやっていることを知ることができ、刺激をもらう機会が多いです。
やる気があって行動力がある人にはもうパラダイスみたいな感じです!

まとめ
プロというのは定められたスケジュールの中で、期待を超える、またはさすがやるなという一種の安心感を与えるパフォーマンスを出せる存在だと考えています。そういった意味では、お二人はプロでした。
特に感じたのは、職員の方々が学生の実力と可能性を信じている、創り出す作品を楽しみにしていることです。だからこそ、学生は自由にのびのびと制作活動に集中できる、喜びを感じられます。京都造形芸術大学には大学が持つべき懐の深さが、文化として根付いていると感じました。